第12話

シーケンシャルなヨロコビ

 私がアルファ147を購入した動機のひとつにセレスピードがある。これは正式にはシーケンシャル・トランスミッションというその響きからしてカッコイイ変速装置。ちなみにシーケンシャル(SEQUENTIAL)という言葉は、継続的な; 順次的なという意味で、ギア変速が順番に変わっていくので、このような名称なのだろう。

しかも操作は、あのテレビで見たF-1フェラーリとかのハンドルの裏側にパドルがついているアレである。
 うーんしびれますなあ・・。しかもそのF-1フェラーリと同じIイタリアのコノリ社製である。マイッタ!

 え?そんなの今時のスカイライン350GT-8にもありまっせ?確かにあれはパドルシフトは採用されてはいるものの、基本的には8速マニュアルモード付きのCVTなので、あれは疑似シーケンシャルである。すなわちあれはマニュアルモード付きのAT車なのだ。
 対してこのセレスピードはシーケンシャル・マニュアルトランスミッション・ATモード付きなので、ATが完全なATではなく疑似AT。AT風である。トルクコンバーター、いわゆるトルコンを持たないのでクリープしない。
 クリープのないコーヒーなんてというCMが昔あったが、まさにこのセレスピードはクリープしないのである。(コーヒーとは関係ナイカ・・)
 これはどういうことかというと坂道発進の時にはマニュアル車で坂道発進するようにブレーキを踏んでおくかあるいはサイドブレーキをうまくタイミングを合わせて解除しないと後ろに下がっていくのである。
 納車の際にそれはよく確認していたつもりだが、近所にできた新しい大型電気店に入る際にすごい急坂で停まっていたときすっかりそのことを忘れて発進しようとしたら、時間の経過でギアがニュートラルに戻っていて(一定時間経つとブレーキを踏んでいなかった場合自動的にニュートラルとなる。ニュートラルに戻る際に警告音がでるが、車内では夫婦げんかをしていたのでその音にも気付かなかった(笑))
アクセルを踏んでも回転があがるばかりですごい勢いでバックしたのであわててブレーキを踏み間一髪で後ろにオカマをほるという奇特な行為をしなくて済んだ思い出がある。

ちなみに国産車でこのシーケンシャル・トランスミッションを装備しているのはトヨタのMR-Sが最初でその後もほとんどないかもしれない。だが近いうちに発売されるマツダのRX-8にはこのシーケンシャル・トランスミッションが装備されるという噂もある。(他にもあったらごめんなさいね。)

F-1のシーケンシャルマニュアルトランスミッションとは同じ仕組みであるが、F-1意外の競技車両で時々みかけるようなギアボックスから直接ロッドが伸びていてリンケージ先のシーケンシャル・ギアボックス内のドラムを動かして変速タイプではなく、コンピューター制御によってクラッチ・シフト・アクセル操作を油圧アクチュエータとかいう装置で変速させる方式のシーケンシャルマニュアルトランスミッションである(話がややこしいけどなあ・・)
まあ一言でいえば、ATとMTの中間的なセミオートマである(結局それかい)。ちなみに日本ではAT限定免許でも乗れるMT車である。私は名付けてSTと呼びたい(笑)以後STと呼ぶ。ここを見た自動車評論家やライターがそのうちSTという表現を使うのではないかと願っている。(だっていちいちシーケンシャルトランスミッションって言い方大変だぜ!)わたしはSTの名付け親だ。はっはっはっ!

日本では圧倒的比率のAT車社会であるが、ヨーロッパでは相変わらずMT車の比率が高い。アメリカがその土地柄故にAT車が普及しているのはわかるが、日本でAT人気が高いのはやはり渋滞の影響だろうか?。
 私は基本的にMT車にずっと乗り続けてきたのでここらでAT車と思っていたが、やはり2輪ライダーの性(サガ)というか、完全なATでは物足りないなあ・・と思っていた矢先になんとセレスピードというちょうどいい塩梅の(笑)変速機をもつ車に出会ったので、買う原動力としては大きい要因だった。

 ヨーロッパは車の文化も長いし、運転を楽しむという点。あるいは小さな排気量の小型車でエンジンをビンビン回して走るのが好きと聞くので、トルク重視で低回転で大排気量のアメ車とは感覚が違うのかもしれない。
 そんなMT好きのヨーロッパではやがてST主流となるのではないかと私は思う。
 すでにアルファロメオでは製品の品質も安定してきているようだし(いまのところですが・・)真夏の渋滞や、東京の渋滞でなければこのまま調子がいいのでは?と思う(願っている)(笑)
 ちなみにアルファ以外ではフェラーリやマセラーティ・スパイダー カンビオコルサにも採用されているし、BMWでもM3からはじまって徐々にシーケンシャルMTの搭載車が増えている感じだ、スマートにもあるらしい。またシトロエンC3にも新しくこのSTが採用された。

 わたしはここで断言する。きっと近い将来、世界的な規模で、ラグジュアリーな車を除いて、特に、スポーツカーでは、このSTが大ブームになると!(笑)

ブームに弱い日本車。きっとこぞってこのSTをつくるんだろうなあ・・

おっと肝心な事を言い忘れていた。
なんと言ってもこのセレスピード(シーケンシャル・マニュアルトランスミッション)に感動する瞬間はシフトダウンの時だ。
コーナー侵入時に、ブレーキングによる減速と同時にシフトダウンも行うがその際に、じつに見事なシフトダウンをエンジン回転を合わせつつ、ウォン!と空ぶかしをかませつつシフトダウンするのである。感動モノですよ!アータ!気分はプロストです。

だから?それがどうした?と思うような方はどうぞ今までどおりAT車を買ってくださいな・・(笑)

2003年2月