だいたい男のくせに香水なんぞをつけているやつはよからぬ下心があるに決まっている。
これがクルマの場合はどうだろう。
答えは同じだ。きっとよからぬ下心が・・(笑)
第2話に登場する父のランチァテーマだが、このクルマは室内に入ると独特の香りがした。
はっきりと香水のそれとわかるような香りではなく、機械的な香りのような新車の臭いのようなとても複雑で個性的な香りだった。
父は最後までその香りの元が不明なのが気になっていたようであった。勝手な推測で、
「室内の素材の臭い。」
ということで片づけていて、その香りの事はもうすっかり忘れていた。
ところがである、その懐かしい香りに、アレーゼ店で再会したのである。
臭いに会うとう表現はおかしいが、まるで久しぶりに人に会ったような懐かしさである。
おお!この香り!懐かしい!。
父のランチァテーマはその後、プジョー206そして306カブリオレに買い換えたがその香りを再び感じる事はできなかったのである。フランス車にはないの?。香水の国なのに。
アレーゼ店で、特にその香りが強く感じたアルファは革張りのシートではないので、革の臭いではない。すかさず営業マンにこの臭いの元はなにか?と尋ねたが不明で、そんな香りの質問をする人がいなかったのか今までに聞かれたことはないという。
とにかく久々に再会できた香りに喜びつつも、またいつしかその香りの事はまた忘れていた。
納車の日
アルファ納車の日。快晴だ。うれしい。ポリマー加工も終了して担当営業マンに納車の際の説明を受ける。取り扱い説明書の厚みは些細なコンピューターソフトよりも分厚い上になぜか表紙がカラー印刷だ。
特に重要な操作説明を受けて店を出た。緊張の一瞬である。
出る直前に坂道発進は注意してくださいね。と言う言葉に、
私は「???」トリプルクエスチョンモードになる。
ん?坂道発進?なにか問題あるの?
営業マン曰く
「ああれ?セレスピードはトルコンのATではなくマニュアル車に近いので坂道ではブレーキペダルから足を話せば後ろに下がります。慣れないと・・・・」
おお!そうだったか!そういえばそうだな!と納得して発進。
晴れて私もアルフェスタとなったわけである。
振り返れば悩みつづけて数ヶ月。ココロにこのアルファさえなければもっと早い時期にあっさりと決定したであろう。しかし契約から納車までは2週間という国産車並の速さであった。
走り出して気がついたのは
「おや?」あの香りがしない・・
そういえばお店にあった他のアルファもあの香りがしなかった。
素材が変わってしまったのか
あるいは香水をふんだんにつけたイタリアの美女が生産工場のラインからいなくなってしまったのか?等々の考えが脳裏をめぐる。
そしてその夜、エアーマックで接続したiBookを立ち上げていろいろとアルファ関連のサイトをさーひんしていたら見つけたのである。フレグランスシートという存在を。さすがインターネット時代。こんなところで恩恵を感じるとは。
フレグランスシート?なんじゃそりゃ?しかも自動車メーカー純正部品????
いったいイタリア人はなにを考えているのか?
クルマに純正部品で香りシート、しかも官能のフレグランスシートを作るなんてクルマをなにと心得る!などと思いつつ、内心さすがだ!完璧ですよアルファロメオ!と妙に納得!ほぼこれにあの香りの元は間違いないと確信して、早速翌日、東京と横浜のイタリアンな雑貨を扱うお店を尋ねた。
東京のお店を尋ねるときれいなオネーサマがレジにいて緊張し、思わずフレグランスシートを、これはどんな香りですか?と尋ねてしまった!シマッタ!そんなもん聞いてただの変態ではないか?おまけに聞かれた方はなんと答えればいいのだ。香りを口で説明するなんて!自分の愚問さに瞬時に気がつき顔が赤くなる。
3センチ四方の固めのスポンジ状になっていてそれだけで1000円弱ぐらいした。ビニールに頑丈にくるまっていて香りがわからない。
だが、ここまできたのはこの香りが目的なので、変態疑惑を感じた私は汗をかきつつも、で・ででででではこれくださいとますます言語障害気味になりつつそれだけ買って店をあとにした。男はきれいで知的な女性には弱い。お店の戦略なのか?
すかさず3センチ四方の香りの元をビニールから出す。知らない人がみればかなり妖しい光景だろう。そんなものを嗅いでいる私の絵。
「ガーン!」違う!この香りではない。と思った。
これじゃあ普通の香水じゃんか!
あーあ。ショックだなあ。せっかく東京まできたのに。
やや狼狽しながらも、発進。休日の都内は空いていて、そのままあっさりと横浜中華街へ到着。
とりあえず昼飯はまた路上のおいしい肉まんでも買い食いか?あるいは食い放題の飲茶か?
などと歩いて中華街のメイン部へ向かっていると赤いフェラーリがとまっていた。
へーこんな道にフェラーリを止めるんだあー、
おや!その後ろは何とマセラッテイ!これは珍しい。
ん?なんとその後ろにはアルファロメオの156が停車。
この道ただものではないな!と思って目をクルマからあげるとビルの1階部分を真っ赤な壁で装飾したお店があった。店名はラテン・モード。
おお!ここだ!後で昼飯を食ったあとに探すつもりだったここもイタリアン雑貨の店。
探すまでもなく、みつけてしまうとは何たる偶然!
運命的なものを感じつつ昼食よりも先に入ってしまうことにした。しかしなあ・・もうすでに目的のフレグランスシートはもう買ったし・・
おや!!あるではナイカ!ALFA147のミニカーが!
いま全国的に品薄らしく147のミニカーしかもドイツ製で精巧にできている。以前欲しかったメルセデスのW123のワゴン車のミニカーは持っているが、それとどうやら同じメーカーのものらしい。
しかし価格が約5000円もする。流石に買えないな・・とは思ったがやはりここで逃すともう買えないような気になる。かつてヒコーキモデルのツンドクモデラーだった時代の第六感とでもいうのだろうか・・(笑)
とりあえず私のカジュアルブルーと同じ色でもあれば。と思いお店の人に尋ねると、発売されたのは赤とこの薄いブルーの2色だけで、このメーカーは一度にどーんと作ってそれで完了。再販や次の生産は読めないドイツのメーカーなんですよね!とフレンドリーな店主の方が笑顔で教えてくれた。
頭に血がのぼり、気がつくと買ってしまっていた。あーあ。
中華街では違うお店の肉まんを食べてから、前から尋ねてみたかったパンアメリカンホットドックコーナーというホットドックのお店に行く。日曜日が定休日のためなかなか営業に行くことができなかった。
今日は祭日だからなあーと思いつつ店までいくと薄汚れた外観から勝手にああ休みか!と判断したのだが、よく見ると中で人が動いた(笑)よく見るとお客さんが1人いるようであった。すかさずドアを開くとなかにはかなり年輩の店主さんが
「いらっしゃいませ」と歓迎してくれた。
店内の表示や道具はほとんど30年前からまるでタイムスリップしたかのような雰囲気で、ラーメン博物館のえせ昭和初期を鼻で笑えるほど本物の昭和初期を感じる。
横浜中華街の歴史とともにあるような地域密着型のお店だろうということを感じることができた。
店内に入るとジュース類には生の文字が。ジューサーミキサーで作る昔ながらの喫茶店のジュースである。ホットドッグは数種類あるがとりあえず200円のウインナードッグを注文。さらにコロッケ定食なんてメニューもあるのでそれも注文。
できてきた内容は期待通りの予想を裏切らない分量と味であった。価格も安い!。特にコロッケのサクサク感は、最高であった。
中華街の中華料理に飽きたような輩にはお勧めである。が間違っても初のデート等にはお勧めできない。男同士ハーレー2台程度を横付けにするにちょうどいいようなカウンターバーの小さなお店である。
ミニカーを買ってお腹も満腹な私は(お前はこどもか!!)うれしくアルファに向かった。ドアを開いてアルファに乗り込む瞬間驚いた。
なんとあの探し求めていた官能のフレグランスがそこに存在したからである。
単品ではわからなかったが室内の香りと融合してあのような香りになるのか不思議である。
香りだけでこんなに楽しめるクルマもなかなかあるまい。とにかくあの香りを手にいれたうれしさいっぱいで帰途についたのであった。
官能のサウンド編へ続く
2002年10月22日