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秩父 しのうち
ゴールデンウイーク前半の飛び石連休に秩父でセミナー合宿の仕事が入った。 久しぶりの秩父だ。バイクで行こう、 あいた時間を活用してそばを食べよう、 と悪知恵が働き出した。 立ち読みで見つけた禁煙のそば屋の名前が思い出せな い。 ええいっ、ままよっ!σ(^o^;)のそば屋嗅覚ともう失われたかもしれな い秩父の土地勘をたよりに、行き当たりばったりでそば屋を探すことにした。 仕事は秩父の合宿学生相手の旅館で、日曜の1時からだ。東京の家を早く出て 11時前に現地に入れば11時から1時まで勝負できると計算した。 なんとなれば旅館でそばや情報を仕入れればよい。予報は晴れ、計算外の大渋滞だけが心 配だった。 東京を8時に出たときは曇り空だったが次第に晴れてきた。 そろそろ4万kmに 達する98年式ロードキングクラシック アトランタ仕様改は順調に秩父を目指 す。 はやいものでもう5年、前後ショック、ブレイキパーツ、コイル、レギュ レイター、クラッチを含めた種種のパーツは新陳代謝され、好調を保ってい る。 というものの最近ブローバイガスのオイルが多くてエアクリーナーの汚れ が早い。プラグの焼け色も新車の時と違う。もう重整備の日が近いかもしれな い。 関越道花園ICを下りて140号を進む。 Harley Davidson News の忘年会で 何度も来ている河川敷の脇をすぎて秩父方面へ向かう。 最近開通した秩父有料 道路の手前で渋滞していたが、これをすぎると快適な3ケタ国道の走りになっ た。 長瀞〜秩父駅前は行楽客による混雑が予想されたので手前で西側の山道に それた。 140号の西側にはよさそうな迂回路がたくさんある。 故意に町はずれ に店を構え、わかる客にだけわかればよいと腕をふるうそば屋のにおいもす る。 午前11時。旅館まではもうすぐ。 日本全国のそばや開店の時間だ、と思ったら眼前に手打ちそばのノボリ旗がたなびいているのを発見した。 奥には平屋の 小さなそばや、屋号は「しのうち」。 σ(^o^;)の嗅覚や判断が正しかった? いやいや食べてみないとまだわからな いではないか?と心で小躍りし、顔でにやにやしながらがらも店の前のあぜ道 を転ばないように進んでいく。 店の前には少しばかりの畑があり、ネギその他が植えられていた。 真裏には里山があり、斜面は墓地になっていて精霊がそば通客を静かに見守っているよう にも思われた。 里山、畑、小さな墓地。 典型的な日本の農村の風景だ。昔住ん でいた山形の風景と寸分違わない。 店の前の垣に客用の座布団が干してある。その数10とすこしばかり。一度に わずかの客しか相手にしないのだろう。 まじめな孤軍奮闘のそば打ちならこじ んまりとやるだろう。 自己中心的な相づちの音が脳裏に響く。 σ(^o^;)には 干してある座布団の数からそばの哲学や味が推察できるのだ。 先客はいない。人当たりの良さそうなおかみさんが出てきて 「すみません 11:30からです」という。 そば屋から仕事先の旅館まではおそらく5分以内で 仕事始まりは1時。 30分待つことにした。 客はσ(^o^;)1人。 柔らかい風に そば切りの軽やかな音が染みこんでいく。 とんとんとんとんとん....... そば 通σ(^o^;)にとって包丁の音は日本庭園の鹿威し(ししおどし)のように感 じられる。 そばと同時に時間も細かく刻まれていく。 あの包丁で刻まれたそば 切りがこれからσ(^o^;)の胃袋に収まるのだ。 暖かい日差しも旨いそばの脇 役を買って出たようだ。
すべての座布団が店に入り、お茶が出て、盛りそばを2枚注文した。
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