「あらきそば体験記(完全版)」

6/12(土)

東北道から山形道に入り、寒河江ICで降りる。

そこから20分ぐらいで村山市に入る。

あらきそばは蕎麦街道14番目の店で、外観は農家そのものである。

簾がかかっているので店内は覗けない。

12時半頃着いて10人くらいの待ち行列。

大半は旅行客のようだが、中には常連客もいるようだ。

店内(家の中と言う方が相応しい)には、蕎麦を運ぶおばちゃんが4人いて、店の奥には蕎麦を一生懸命打っている男性(年令はそんなに老けていない)が1人いた。

残念ながら店主の芦野又三さんは不在の様子。

靴を脱いで待合札を受け取り、囲炉裏端で待つこと10分。

この待合札が精算時に食後は請求書になる。

店内では皆板そばを食べている。

うーん、結構ボリュームがありそうだな。

くるまさんと「昔毛利」を食べる約束をしたがお客は誰も食べていない。

まあ、頼んでみるか(と、この時は思っていた)。

座敷に座るとすぐにおばちゃんがそばつゆと薬味(ネギ)と漬物を持ってきて、

「ニシンつけますか?」おもむろに聞いた。

ほとんどの客がニシンを食べていたので思わず注文したが、値段が不明だったので不安。

通常、居酒屋では7〜800円取られるので覚悟していた。

この時、不思議なことに蕎麦のオーダーを聞かれなかった。他の客も同様である。

黙って座れば「うす毛利」に決定されるシステムのようだ。

ということは「昔毛利」を頼みそこなった訳だ。

間が持たずに漬物をボリボリ食べていた。

先に真っ黒なニシンが出てきた。

これが絶品!

甘からず辛からず、柔らかく煮こんだニシンが口の中でとろける。

思わず日本酒が欲しくなった。

のどが乾いたが、水もお茶も出てこない。

周りの客もお茶を欲しがっていたが誰も飲んでいなかった。

20分待ってようやく出てきた「うす毛利」の第一印象は、板がデカイことと麺が太いこと。

蕎麦の色は蕎麦粉100%の黒っぽい色。

うどんのような太い蕎麦はすごい歯ごたえで、噛むと蕎麦の風味が口中に溢れ出す。

まずはつゆを付けずに蕎麦だけを食べた。

今まで食べたことの無い強い個性の蕎麦である。

くるまさんの言うように、蕎麦だけではないような気がした。

しかし、つなぎが何であるかは不明。

めんつゆも、一口目はごく普通のつゆの味(濃口)がしたが、食べていくにしたがって

隠し味があることに気付いた。

蕎麦と同様、それが何であるかは不明。

これがまさしく山形でしか食べれない「山形蕎麦」の味なのだ。

小生、初めての体験に大満足した。

メニューは「うす毛利(通常のもりそば)」と「昔毛利(3〜4人前の大盛り)」の二つだけしかないが、蕎麦そのものを味わうにはそれで十分だと思う。

うす毛利を食べた後、昔毛利にしなくて良かったと膨れたお腹を見て思った。

毎日、この蕎麦を食べていたら、信州や関東の蕎麦は食べれなくなるほど影響力を持っている。

この強烈な印象の蕎麦は、好みが分かれると思うが、蕎麦通の登竜門の一つといえるだろう。

今度は是非、新蕎麦シーズンに行こうと思う。

以上

I SHONAN CH. I