* 蕎麦通リングレポートBy 狼金クライン3

<その3:郡上八幡&飛騨高山編>

宴会の翌朝は、やはり少々騒ぎ疲れモードだった。

平野さんのお袋さん&ザ・Konomuスタッフにお礼を言って、

高山へ爽やかに出発!...しようとしたが、またもやハプニング。

やまざきさんのハーレーのエンジンがかからない。

昨夜、小生を探しに来てくれた時の始動トラブルは前触れだったのか!?。

朝のkonomu邸の廻りで、数人の男が必死になってハーレーを押している図に、

小生は富山県民ののどかさを感じてしまった(失礼)。

何度かチャレンジしたがエンジンはかからない。

やまざきさんも諦めて、バッテリーを充電してから後を追うと言い始めた。

しかし、その時ヒゲの良く似合うぐっちさんが、「オレに貸せ!」(と言ったかどうかは不明だが)と、

あの重いハーレーをたった一人で押し掛けし、見事エンジンを始動してしまった。

一同ア然。

これで、やまざきさんも含め無事全員で富山へ向かって出発することができた。

ぐっちさんありがとう。

ここから、高山を経て蕎麦通第二の目的地である郡上八幡までは、

とにかく「ねじきり走行」の連続であった。

富山組による走行パターンの一つである「ねじきり」は、アクセルを目一杯回すという

ことだった。

いやー、皆気持ち良くねじきってましたよ。

ゼロカスタム風のスプリンガーさんも必死でねじ開けてました。

おかげで彼はネジ(ボルト)を1本落としたそうです。

さて、いよいよ郡上八幡に到着。

目指す蕎麦屋は「平甚」である。

ここの麺は白いので有名で、蕎麦の実の芯の部分だけを使って蕎麦粉を作るという

贅沢な蕎麦である。

やはり店の前はすでに長蛇の列だった。

14人で予約したら、店主が気を利かせて、待ち時間を利用して町内を見てくるよう奨めてくれた。

郡上八幡は初めて来たが、ここは町内に川が流れている。

湧き水もあって飲んでみたが、全くの「無味」だったのが感動的だった。

水と共に生活している町らしく酒屋がいかにも酒屋らしい。

堪らずに試飲コーナーで地酒を飲んでみた。

う〜ん、空きっ腹にキューっときた。

すぐに顔が火照ってきたのが分かった。

平甚の二階の座敷に通されて、いよいよ蕎麦を注文する時が来た。

いつも食べるのは、「もり」か「ざる」なのだが、一応メニューに目を通す。

店のおばちゃんに「もり」と「ざる」の違いを聞いたら、麺つゆの味が違うそうだ。

試しに、もりとざるを各1枚づつ食べることにした。

もう一つのポイントは「大盛り」が何円増しになるかである。

まあ、今回の蕎麦通では食べたいだけ食べるというコンセプトだから、金額は気にしないことにした。

しかし、大食いのHitton氏は勘定を払う時に嘆くことになったのである。

我々は普通盛りにした。

注文してから蕎麦が出るまでの時間、九代目店主のオヤジがいろいろと説明してくれた。

・そばは女と同じで食べなきゃ味は分からないということ。好みがあるので一概に旨いとはいえない。

これは肯けた。

・NHKのテレビに出演したこと。

このオヤジは結構有名人らしいことが分かった。

・もりとざるの違い。

「ざるそば」に乗っている海苔は小麦粉つなぎのニオイを誤魔化すために降りかけているらしい。

そもそも「もりそば」の方が読んで字の通り山盛りだったそうだ。

・信州善光寺にある店主お薦めの旨い蕎麦屋の紹介。

日本で数件しかない100%蕎麦粉で作った蕎麦が食べられる店。

等々。

含蓄のある話だったので、蕎麦が出てくるまでの時間を有意義に過ごせた。

注文した蕎麦が出てきた。

さて、これだけいろいろと講釈を聞かされた後での蕎麦はまずいはずがない。

まずは、ざるそばから食す。

細めの麺だがコシがあってしなやか。

つゆは辛くも甘くもなく調度良い味。

次に、もりそばを食す。

つゆは明らかにざるつゆとは異なるもの。

もり用のつゆは、ざる用と比べると醤油味が強く旨味が弱い。

個人的には、ざるの方が好みである。

わざわざ郡上八幡まで来た甲斐がある蕎麦であった。

ダンディ・スプことスプリンガーさんとは、ここでお別れである。

ここから石川県は遠い。

安全を祈るばかりである。

別れがつらい。

そしてもう一つの別れが近付いてきた。

郡上八幡から高山までは、例の富山組「ねじきり」走行で食後の眠さを吹っ飛ばした。

高山の手前の道の駅で小休止。

ラベンダーアイス片手にバイク談義に花が咲く。

ここで富山組3台とは別れることにした。

昨日初めて会ったとは思えない感慨が誰の胸にも溢れているのがわかった。

また会おう!の言葉を残して、3台はねじきって消えた。

我々は地元IGさんの先導で高山へ向かう。

IGさんは883に乗っているが、今回のツーリングでもビッグツインに負けぬ走りをしていた。

高山には16時過ぎに到着したが、まだ時間が早いのでtakaさんを見送りがてら、平湯まで行くことにした。

途中に高山ラーメン「板蔵」があった。

むむむ、ラーメン食べたい。

残念ながら今回のコースには含めていないので店の前をヨダレを垂らして通過。

安房峠は大渋滞。

辺りは暗くなって気温も下がってきた。

今夜は平湯のキャンプ場に一人泊るtakaさんと別れて、我々は高山へ戻った。

高山の宿は、笠曲寺というお寺に素泊まりである。

ここは、雑誌るるぶで探し当てた。

連休中にもかかわらず、高山駅の近くで駐車場も付いていて素泊まり3000円は

嬉しい。

それに住職がふとんの上げ下げをやってくれるから、旅館並のサービスである。

どちらかというと泊れる寺と言うより、民宿を寺にした感じである。

もちろん共同風呂も付いている。

但し、門限と消灯が22時とのこと。

まずは地元IGさんの案内で夜の高山へ出てみた。

せっかくだから夕飯は高山ラーメンにした。

「つづみそば」という人気店に入った。

メニューはラーメンとチャーシューめんだけである。

味はさっぱり系醤油味といったところか。

麺は細くてちちれている。

蕎麦通の中での久し振りのラーメンは一段と旨い。

笠曲寺正門の向かい側に、安くてうまい居酒屋があった。

・飛騨牛ステーキ:800円(絶対安い)

・みその朴葉焼

・地ビール

店を覗いてみたが若い女性客で満員。

この店は諦めてIGさんが予約していてくれた居酒屋に行くことにした。

ちゃーんとIGさんは高山の夜の準備をしていたのであった。

男7人、席に着いた途端、生ビールでカンパイ!

やはり走った後のビールは最高!

なんとこの店の女店員がIGさんの職場の後輩でした。

門限時間が近付いたので笠曲寺へ戻り風呂へ入ることにした。

IGさんも明日のルートを教えてくれるとのことで部屋まで入って来た。

ここの風呂は混浴ではないが、2個所ある風呂は特に男女の区別がない。

先に入った人で決まる。

ふくちゃんが風呂場の戸を開けて中に入ろうとすると、既に誰か入っていた。

もっ、もしかすると...

ガラッと戸を開けたふくちゃんは、「あっどうも!」と言ってすぐに戸を閉めた。

ふくちゃんの顔が強張っていたので、誰が入っていたのかを尋ねたら、この寺の住職だったそうだ。

住職の裸を見てしまったらしい。

ゲッゲッ、南無阿弥陀仏、合掌!

ようやく家族風呂みたいな風呂に入り(お湯が出ないのにはまいった)、風呂場から就寝部屋へ

戻る途中で4畳半くらいの談話室を通った時のことである。

談話室のソファには何故か二十歳前後の女の子が2人座っていた。

ここでふくちゃんの本領発揮。

住職の裸を見た後で異常に興奮していたのか、声をかけることに成功した。

どう言い包めたのか、女の子と一緒に記念写真を撮ることになった。

IGさんも含め男7人と女2人が談話室に集合した。

先程まで口数の少なかったIGさんが突然豹変して女の子に集中攻撃。

そこにHitton氏が加わり大混乱。

いつもちゃんと可愛い女の子の隣りにはHitton氏が座っているから不思議である。

タートルさんからの差入れの日本酒を廻し飲みして宴会が始まった。

途中、この部屋を通過しようとした一人旅の青年3人とアベック一組も無理やり参加させ、

多いに盛り上がった。

とにかくIG、Hitton、ふくちゃんの乗りの良さは、昼間のねじきり走行以上であったことを

報告する。

午前零時に就寝。

小生とHitton氏はどうやら大イビキをかいたらしい。

寝れなかった人ゴメンナサイ。

翌朝は7時に起床。

朝食を求めて朝の高山の町に出る。

すでに雨が降り始めていた。

朴葉焼定食を探したが見つからないので喫茶店でモーニング。

久し振りのコーヒーがとても美味しかった。

朝食後、笠曲寺に戻ると、なんと昨晩はしゃいでいたIGさんが

見送りに来てくれていた。

やはり別れがつらい。

昨晩のことは誰にも(特にIGさんの奥さんに)言わないとIGさんと固い約束をして高山を後にした。

今日は、蕎麦通第三の目的地である開田高原の「高原食堂」で昼食の予定。

しかし天気予報は一日雨。

笠曲寺の近くの駐車場で全員合羽を着て、ハーレーに跨り出発。

この時、タートルさんが駐車場のポールにフロントフェンダーを

ぶつけたことに誰も気付かなかった。

後でタートルさんからの泣きの告白があった。

幸いにして傷は浅かった。

高山から開田高原へは2時間ぐらいで到着する予定だった。

しかし、実際は3時間以上かかってしまったのである。

冷たく降りしきる雨の中を6台のハーレーが蕎麦を求めて走って行く。

開田村を過ぎた辺りで、行き過ぎたのに気付くべきだった。

結局、木曽福島まで行ってしまったのである。

道の脇には木曽福島の蕎麦屋が並んでいた。

いかにも美味しそうな店ばかりである。

だが我々は開田高原の蕎麦を食べるためにはるばる関東からやって来たのである。

初志貫徹。

雨の中を勇気をもってUターンした。

峠をひとつ来過ぎていた。

高原食堂はどこにでもあるドライブインの風貌であった。

果たしてここが伝説の蕎麦屋なのか...

全身濡れネズミのままイスに座り廻りの客を見渡した。

ここのメニューには、冷たい蕎麦は「普通のざる:ざる2枚」と「大盛りのざる:ざる3枚」

しかない。

ほとんどの客が目の前にざるを山積みにして黙々と食べている。

当然大盛りのざるを注文した。

ふくちゃんだけは、暖かい月見蕎麦であった。

冷たい雨で体が冷えきっていたので、暖かい蕎麦も魅力的だった。

ぞめは、今回行った蕎麦屋3件とも暖かい蕎麦と冷たい蕎麦の両方を食べていた。

この店の麺は、今回の蕎麦通で食べた蕎麦の中でも、最も色が黒い。

腰も強い。

めんつゆもさっぱりしている。

あっと言う間にざる3枚を平らげた。

伝説通りの旨い蕎麦であった。

これで今回の蕎麦通の目的は全て完了したことになる。

あとは雨と渋滞の中を安全に帰るだけである。

開田高原から木曽福島へ抜け、R19号を塩尻へ向かった。

塩尻のコンビニで暖を取ってから中央道へ乗る。

ここまで一緒に走った新潟組のタートルさんとも、いよいよお別れである。

タートルさんは上信越道で新潟へ、Kitaさんは関越道で東京へ、残りの関東組4人は

中央道で相模湖ICまで行くことにした。

タートルさんとは、今回の蕎麦通で出会った人の中で一番多く一緒に走ったことになる。

ここで別れる訳だが、今後はいつでも一緒に走れるという仲間意識が芽生えている。

あっと言う間の3日間であり、また今度の週末にでも一緒に走れそうな気がするから不思議だ。

タートルさん、日本酒ありがとう。

新潟までは先が長い。

皆さんお気を付けての意味を込めて、中央道のジャンクションで一斉にクラクションを鳴らし、

帰路の安全を祈った。

蕎麦通レポ完

I SHONAN CH. I