Free & Easy


最近辛口の酒がなくなったとお嘆きのあなたに・・・
というお酒のCMがあったと記憶しているが、雑誌の分野で同じことを感じているならお奨めの雑誌がある。
それは「Free & Easy」誌だ。創刊の頃から気にいった号を見つけると時々買っている。

 私はこの雑誌を宣伝する義理も恩もないのだが、とにかくここ数年ではもっとも「おお!」と思える特集がある雑誌である。毎号特集内容が異なるので、中身を見ずに買うことはない。あくまでも内容に期待できる号を時々買う程度だが、ここのところ2ヶ月連続で買ったしまった。来月も買ってしまいそうなタイトルだ。内容については割愛するし実際に書店で目にしてもらうといいと思う。
 ライター。フォトグラファー。そしてトータルにまとめるエディター。目に見えない力そしてリスペクトを感じるのである。

 ちなみにあの片岡義男氏の記事もある。kinさんの写真もあった。語弊があるかもしれないが、今月号など、気合いの足りないハーレー誌よりはメンタルな面で遙かに専門誌を凌駕しているかもしれない。

 最近はどんなジャンルの雑誌もみても似たような記事。あるいは明らかに同じ取材とわかる内容を別の雑誌でも同じ出版社内で回し掲載していたりする。

 子供の頃、ポパイ創刊やブルータス創刊をみてきた今の30代後半から40代にかけての人々にとってかつてのような雑誌に対してリスペクトする事は少ないだろう。

リスペクト

 リスペクト[respect]日本語では、尊敬とか敬意という意味だが、かつてのメディア(テレビとか雑誌)にはこの、敬意というか近寄りがたい畏敬、あるいは世界の頂点にたつ人の言葉、憧れの対象、夢や目標みたいなものが多く含まれていた。

 インターネットの普及とともに、個人でも情報を発信できるようになり、こうして私のような一個人が、好き勝手な事をのたまう事ができるようになった。それはそれとして素晴らしい事なのだが、逆に思い違いや間違った情報も氾濫するようになり、それを見極めチョイスするのはさらに受け手の判断力や感受性を研ぎ澄ます必要になっていると感じている。

 雑誌業界に限ったことではないが、営利優先ため、ギャラや製作コスト削減をする。すると当然写真も記事も質が低下。さらに売れなくなる。という悪循環に陥る場合が多い。どんな業種でも売れなくなってきたからといって利益を確保するために質を落とせばどうなるかは明白なのに、わかっていても、つい目先の数値に過ちを犯してしまう。あるいは企業TOPの命令に従わざるを得ない場合が多い。
今や日本全体がリストラという単語を削減と間違えて認識してしまったために、貴重な製作スタッフを失いベテランの技術者や営業マンを失ったため再起不能な状態にまでなってしまったニュースを耳にするが、短期的に企業が生き残っただけでは削減した意味がない。追いかけてくる者に勝たなければ意味がないのだ。メーカーは今どんな分野も人件費の安い諸外国に恐れをなしている。コストで勝負してくるところにコストで勝負しても勝ち目はないだろう。

 デザインなのか、技術なのか。あるいは伝統やブランドなのか。それは個々の企業により異なるとは思うが、いずれにしてもどんな戦いも相手の弱点に対して自分が有利な武器で戦うことが当たり前の論理である。

 ニュース性とスピードという点において、もはや雑誌というメディアはインターネットに勝つ事はできない。勝負できることはやはり質の高さ、中身の濃さに尽きるであろう。
 かつての雑誌メディアはこの中身の土俵が、一般読者のレベルよりも遙かに高い位置にあった。しかしWEBにおける個人サイトの普及によって、逆にそれらに近づいてしまった部分があるのではないだろうか。

 個人のホームページレベルにおいて、世界一流の人のコメントや記事あるいはプロの作家になにかを書いてもらう事は実質上不可能である。
 雑誌が自腹を切って財布からお金を出してその引き替えとして成り立つにはまさにこの内容に対して共鳴し、かつての雑誌でライフスタイルまで影響を受けたようなリスペクトを復活してもらいたいと願う。1人の雑誌好きな読者としての本音である。

 こんな思いを持つわたしが、唯一そのリスペクトを感じる雑誌がこの「Free & Easy」誌だ。これからも買いたくなる雑誌を作り続けてほしいと思う。


2003年7月2日

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