クルマには様々な目的と購入動機がある。営業用、遊び用。目的や用途は様々で、目的とする内容に対して専門性が強いほどいいだろう。消防車や救急車あるいはゴミ回収車などの特殊車両は、究極的に目的と用途を絞ったクルマである。
普通の家庭でマイカーを買うときには、この目的がかなり広範囲に及ぶ。多目的になる。多目的に使えるボックス型のRVが売れるのは、こうした様々なシーンや目的を最大公約数的に網羅することができるクルマだからだと思う。
冠婚葬祭からはじまって、お墓参りや家族旅行、人の送り迎えや通勤。そして税金面や維持費のこと。クルマという機械としての信頼性や安全性。快適性。これらを表にまとめてポイントを集計すると今売れているクルマがどれもなるほどと理解できる。
こうして選ばれたクルマは、信頼性も抜群で燃費もよく、故障しらずで経済的で実に素晴らしい。完璧である。だがしかし、かつてクルマ好きだった多くの友人は、物足りない、なにかが違うという。やがてこうしたクルマを飽きたと言って売ってしまう。なぜ?なにもかも完璧なのに。
最近の私の持論で、ある解決の糸口を見つけた。それは「絵的」基準だ。
なにもかも私の判断基準は絵的に美しいかどうかという点が、判断基準になっている。そのモノの金額や性能はともかく最終的には絵的にどうか?という事が重要だ。
湘南には江ノ電が走っている。海岸線を走り絵的に好きな鉄道だ。乗り降りくんという1日フリー切符を買ってホームで待つ。電車が来た。でも最新型の車両だ。快適だろうけど、どうせなら絵になる旧型の車両に乗りたい。あるいはカメラを構えて江ノ電がやってきた。でも同じ風景を撮影するなら絵的に古い車両が好きだ。
たとえばキャンプに行くクルマが2台あるとする。1台は最新の国産キャンピングカー。ゴージャスな作りと便利な電子レンジまで装備している。もう1台は小さなオープンカー。荷物はあまり乗らないがリアトランクの上にはキャリアがついていて大きな革のトランクがある。
この2台なら迷わず私は後者を選ぶ。理由はキャンプサイトで「絵的」にいいから。今後も私は乗り物に関しての判断基準は、この「絵的」にどうか?を基準に選ぶと思う。
間違っても便利だから、安いから、かんたんだからという理由ではなくこの「絵的」基準が私の判断材料である。
2002年5月8日