朝4時30分に目が覚めた。目覚ましのセット時間まであと15分あるにも関わらずこうして起きる事ができるのもひとえにツーリングだからだ。まずは玄関を開けてハーレーが盗難にあわずにちゃんとあるかを確認しつつ空を見上げる。まだ暗い。空のトーンは一定だ。一定ということは空一面雲で覆われているかもしくは雲ひとつない快晴かいずれかなのだ。数秒間まだ空けていない空を凝視。後者であることを確認する。快晴だ。さっそくネットに接続し、約1時間後に出発する旨をかきこする。 ツーリング前の至福のコーヒーを飲みつつ準備。5時40分出発。道はまだ空いている。バイクに乗る時間帯で一番好きな時間帯どれかと聞かれれば迷わずこの早朝の時間帯だと答えるだろう。点滅信号の街は見慣れた風景も旅先と同種の新鮮さを与えてくれる。 しばらく走ると国道沿いのガソリンスタンドで給油している狼金氏を発見。クラクションを鳴らす。前にも書いたが私はこのハーレーのクラクションの音が大好きだ。スポーツスター時代にどうしてもこの音を鳴らしたくてわざわざ買ってつけた事もある。少し丸い音がする。代名詞と化したフランスのクラクション社製の正真正銘のクラクション。 ハーレーのエンジン音とクラクションに気づいた狼金氏と手で挨拶。狼金氏はハーレーに乗りすぎの為腱鞘炎になったらしく2日前にも星野へ下見RUNした帰りに大渋滞。手の痛みが悪化。今回は参加できないとの情報を得ていたが、やっぱり来ていたのだ。来るとは思っていたが。しばらく走って最初の待ち合わせ場所である第3京浜のP.Aに近づく手前でもう一台のハーレーが合流するのが見えた。P.Aのバイク置き場に停車するのはほとんど同時で3人で挨拶を交わした。もう一台のハーレーは斎藤氏だ。斎藤氏は今回のはじめてお会いした。この方もデザイナーだそうだ。 ハーレー乗りの多くにデザインや音楽関係の職業を持つ人は多い。トイレに向かいながら思ったのは感動生産系の職業だからだろうかとふと思った。私見だが、人生の意義が「感動」という面に重きを置いているからではないかと思う。感動とは感じる事を動かすという事だろうと思うけど、まずは自分が感動しない人に、デザインや音楽で人を感動させる事はできない。ハーレーは普段の街や山並みや風景を感動的な映像に替えてくれる。そしてそれはとてもリアルだ。当たり前の話しだが、現実そのものだからだ。これ以上のリアルはない。どんなにCGや音響効果が進化してもそれは疑似であってどこまで行っても本物にはなりえない。そしてお金では買えないなにか大切なものをインスパイアしてくれる。そんな事をあくまでも直感的に感じとりハーレーが好きなのではないかと思う。なんて事を考えながらトイレを出る。 斎藤氏のファットボーイと高速を降りる、一般道でくるま氏と合流。くるま氏と走るのは昨年の山形蕎麦通リング以来だ。北上するにつれて交通量が減っていく。空気感や風景も少しづつのどかな感じになっていく。茂林寺に近いコンビニでトイレ休憩。茂林寺は確かぶんぶくちゃがまの話しの元になった釜があると聞いた記憶がある。コンビニ内でくるま氏が買った栗をもらう。狼金氏がおやじギャグをかます。内容は想像にまかせる。栗がうまい。お腹が空いた。なにか軽く食べたい心境だが蕎麦がまっているので我慢。夏の夕方にうまいビールを飲むために水分を控えるのと同じ心境だ。その時コンビニ前を紫色のロードキングが通過。笑平氏だ。 館林I.Cから東北道に乗る。佐野S.Aにはすぐ到着。すでに多くのハーレーがいた。挨拶を交わす。唐沢氏久しぶりだ。地元佐野からはあっちゃんことあつし氏。そしてそのあっちゃんの友人のあつし氏。1号2号と呼んで下さいと言われたのでそのままためらうこともなく私の脳裏にはあっちゃん1号2号とインプットされた。黒塗りのショベルエンジンが渋い。先ほど通過した笑平氏も到着していた。そして初めて顔を合わせたVOLBO13氏。ハンドルネームから想像すると当然デュークトウゴウのようなイメージ(笑)をかってに描いていたが実際は渋い感じの知的な感じのする方だった。ネット上のイメージと実際会って見た時の印象とギャップがあるからこそまた面白い。さらに同じ丙午のキョウジ氏も到着。昨年夏のおしゃきゃん以来の再会だ。9時25分頃TOOL BOX氏も到着。彼も同じ年。同じ年だからなにがどうということもないが。彼とは昨年のバイブスミーティングで会って以来2回目だ。髭が似合うショベルFXE乗り。男からみてもカッコいい。実はこのFXEというハーレーは我が年代にとってある意味ハーレーの中で特に印象度が高い。それはなぜか。タミヤの1/6バイクシリーズの中でブルーメタリックのハーレーFXEがひときわかっこいいバイクとして脳裏に焼き付いているからだ。とかってに思っている。 ごく簡単な全体説明を行って定刻どおり9時30分に佐野I.Cを出発した。総勢11台で快晴の東北道を走る。先頭は星野通い最多の狼金氏。私は最後尾を走る。ハーレーのサウンドと太陽光を見事に反射するパーツは快晴にふさわしい。西海岸に住んでいた友人がハーレーが素晴らしく見える条件は乾いた空気と青い空、ピーカンの太陽だと言っていたのを思い出す。 栃木I.Cまであっという間に到着。I. Cを降りたところで茨城からやってきたがくさんと合流。12台のハーレーは星野をめざす。星野に着くといつもの穏やかな田舎の農家的たたずまいは変わらない。落ちついた空気感の畳に12人は着座。口々に5合(ごんごう)蕎麦や大盛り蕎麦を注文。注文後に順番に自己紹介をする。蕎麦と同時に野菜の天ぷらやイモ煮などというサイドメニューなども食べつつ、目下の主目的蕎麦は一瞬にして体内の飲み込まれていったのであった。蕎麦の味については的確に表現するだけの表現力を私は持たない。まったりとか口のなかで蕎麦の香りが広がりとか書いてもよくわかんないと思うので割愛させていただく。もちろん私の感想は、うまい!。 皆が食べ終わった頃タケ氏が到着。渋いショベルハーレーに私と似た体型の男が乗ってやってきた。彼は3拍子追究派らしくその後何度か「これって3拍子でてますよねー?」と聞かれたので「3拍子でてるのでは?」と答えた。 その後めいさんが到着。軽度なアクシデントも、くるまさんと佐野の名メカニックあっちゃん2号のおかげで難なくクリア。いつもの明るい調子で蕎麦を注文。これで総勢14名が集まった。 時間もお昼が近づくにつれて店内が混み初めてきたので次の蕎麦屋をめざす。ここでメインイベントは終了なので斎藤氏は帰還された。地元のあっちゃん2号氏はNHKの番組にも紹介されたことのあるせんべい職人でこれから仕事がはじまるそうだ。加須にお墓がある笑平氏も墓参りの為ここでお別れ。みなさんまた会いましょう。 地元佐野で酒屋を営むあっちゃんに先導役をお願いして走る。しばらく走ると道も空いてきて気持ちがいい。 しばらく走って大きな駐車場にハーレーを駐車。ここでまだまだ蕎麦を食うぜ組と、コーヒーでも飲みたい組みに別れて行動。しばらく歩く。あっちゃんさんのすぐそこです。あそこです。違った。もう少し先です。違った。もう少し先です違った。あれですあれです。違ったか。を繰り返しながら20分ほど歩く。バス停留所を2ヶ所通り過ぎる頃にはもうみな無口になって黙々と歩く。蕎麦道は険しいのだ。(笑)。 あっちゃんが、気づかって「すいませんねーこんなに歩かせてしまってと」何度もあやまり続ける姿をみる方がすいませんねえーという心境でした。ご苦労さま。あっちゃん。 たどり着いた蕎麦屋「かみやま」は盛況でその雰囲気から既に蕎麦通リング常連のここはいけるぜ!の期待を抱かせていた。靴を脱いで畳の間に上がるではナイか。振り返るとうまい蕎麦屋の条件として靴を脱いで上がる蕎麦屋もうまい蕎麦屋の共通項かもしれないなと、ふと思う。 周囲のお客さんをさりげなく見渡すとどの机にも巨大なざるがある。ものすごい量の蕎麦が盛ってある。星野の5合蕎麦のさらに倍はあるのではないかと思える量だ。お品書きを見ると一升蕎麦は存在しない。やはりあの巨大なざるが5合蕎麦らしい。価格は2100円。町中の蕎麦屋対比で換算すれば盛り蕎麦5枚分以上は確実にありそうだ。狼金氏やくるま氏の眼光に蕎麦光線が走ったのを私は見た。 しかし今しがた星野で5合蕎麦を食べてきたばかり。さすがに今の戦力であの蕎麦と対するのはいささか時期尚早と判断した我々蕎麦団は次回の挑戦課題にする事を静かに誓いつつ大盛り蕎麦を注文したのであった。ここの蕎麦は星野のどちらかと言えば田舎蕎麦系に対してより食べやすく麺も細い蕎麦だった。これもまたうまい。星野と比べてどうですかと聞かれたが、甲乙つけがたく、また距離もさほど離れていないのに種類が違う蕎麦に感じた。また行きたい。 歩いて駐車場に戻る際にまるで時間を合わせたかのような正確さでコーヒー組みと道で合流し帰路に着く。仕事があるにも関わらず地元の案内役をしてくれたあっちゃん先導の元で佐野S.Aへ向かう。道も混みはじめてきた。最期にコンビニの駐車場で最期の解散場所として、あっちゃんがお店に戻るため別れた。首都圏突入隊は交通情報での渋滞情報にうんざりしながらも佐野S.Aに乗る。乗る直前に下道組が手を挙げて別れる。 高速道路に入ってからは渋滞の為各自のペースで走り蓮田S.Aで休憩した。ここでTOOLBOX氏、VOLBO13氏、たけ氏と別れて湘南隊(といっても私と狼金氏の二人だけだが)は首都高速に入って行った。道の混み具合から判断して通過した葛西経由の湾岸ルートは正解で、途中葛西まで渋滞したものの後はほとんど空いた道を快走しながら湘南まで帰途についた。 風は強いが時速90キロ前後で安定したサウンドと振動を奏でるハーレーは最高だ。リジットマウントの4速スポーツスターにはまた別の心地よさがあったが、ラバーマウントのツアラー、ロードキングはまさにハイウェイキングだ。左方向を見ると水平方向に月が浮かんでいる。右方向には都会のネオンの遥か彼方にうっすらと富士山のシルエットが見える。この強風のせいですべての埃を吹き飛ばしたかのように空気が澄んでいる。気持ちがいい。 横浜新道の入口のパーキングで休憩して缶ココアを飲んだ。かなり冷えてきた。横浜新道に入って狼金氏と別れて家路についた。 終始快晴で事故もなく多くのハーレー乗りの方と今回もお会いできたのが何よりの収穫。そして思い出。今回行く予定にしていて参加できなかった方またどこかで。今回こうして知り合う事ができたのもハーレーとそしてWebのおかげ。HDNをはじめ各ハーレー関連サイトで今回のイベントを宣伝してもらったWebマスターの方々にも感謝。また走りましょう! (March.22 2000) | ||||||